信頼できる仲介会社を探すなら M&A assistant

M&Aリスクとデメリット、対応策まで解説:オーナー社長のための成功ガイド

M&Aリスクとデメリット、対応策まで解説:オーナー社長のための成功ガイド

企業の成長や経営者の引退、後継者問題など、様々な理由でM&A(合併・買収)を検討する企業が増えています。M&Aは、企業の存続と発展において非常に有効な手段ですが、その過程には多くのリスクと課題が伴います。この記事では、M&Aを検討しているオーナー社長向けに、M&Aプロセスの各段階で直面する可能性のあるリスクやデメリット、課題とその対応策について詳しく解説します。

1. M&Aの検討・準備段階でのリスクと対応策

最適な相手先が見つからない可能性

M&Aは売り手と買い手の「めぐり逢い」です。従業員の雇用維持やシナジー効果などを考慮して相手先を選定する必要がありますが、自社の意向にマッチした相手を見つけるのは容易ではありません。例えば、買い手企業が従業員の雇用を守る意向があっても、企業文化の違いや経営方針の違いが問題になることがあります。

対応策

外部ネットワークの活用やM&A仲介会社の利用を検討しましょう。信頼できる仲介会社を通じて、広範なネットワークを活用し、自社に最適な相手先を見つける努力が求められます。仲介会社は豊富な経験と知識を持っており、適切な相手先を見つけるための強力なサポートを提供してくれます。

売却先が見つからないリスク

M&Aだけを選択肢にしていると、売却先が見つからなかった場合に倒産や廃業のリスクがあります。特に経営難から自社の売却を考えている企業ほど、このリスクは高まります。デューデリジェンス(DD)後に簿外債務が見つかると、買い手が見つからなくなることもあります。

対応策

複数の選択肢を検討し、事前に財務状況を整えることが重要です。財務的な透明性を高めることで、潜在的な買い手にとって魅力的な企業にすることが求められます。内部監査を定期的に行い、財務状況を常に最新の状態に保つことが重要です。

譲渡までの費用・資金

M&Aを実施するには、仲介会社や士業への報酬が必要です。報酬体系は依頼先によって異なるため、事前に確認することが重要です。例えば、M&A仲介会社に支払う手数料や弁護士への法律相談費用、人件費、登記費用、契約書の印紙代などが発生します。

対応策

事前にコストを見積もり、予算を確保することが必要です。詳細な費用計画を立て、予期しないコストの発生に備えることが重要です。また、費用対効果を検討し、コストを最小限に抑えるための対策を講じることも有効です。

2. M&A交渉段階でのリスクと対応策

取引先や顧客からの反発

M&Aによって既存の取引条件が見直され、取引が停止される可能性があります。取引先や顧客の理解を得るために、事前に譲受企業と意見交換を行い、取引内容の大幅な変更を防ぐことが重要です。

対応策

事前の意見交換やチェンジオブコントロール条項の確認を行い、取引先や顧客の信頼を保つ努力を怠らないことが大切です。取引先や顧客とのコミュニケーションを密にし、透明性を持って情報を共有することが信頼関係を築く鍵となります。

株主からの反発

株主の承認が得られなければM&Aは実施できません。M&Aによる株主や取引先のメリットを丁寧に説明し、良い印象を与えることが求められます。

対応策:M&Aのメリットを具体的に説明し、株主の信頼を得る努力をしましょう。例えば、企業の成長や配当の増加などの具体的なメリットを示すことが有効です。株主との定期的なミーティングや説明会を開催し、疑問や不安を解消する場を設けることも重要です。

デューデリジェンスによるリスク

デューデリジェンス(DD)は、M&A交渉において重要なプロセスです。DDによって会社の簿外債務や不適切な会計処理などが明らかになると、意図的でなかったとしても譲受企業の不信感を招いてしまい、M&Aがスムーズに実施されない可能性があります。

対応策

事前に財務状況を正確に把握し、問題を解決することが重要です。透明性を高めることで、交渉を円滑に進めることができます。内部監査や外部監査を活用し、財務状況の正確な把握と報告を行いましょう。

3. M&A成立・実施段階でのリスクと対応策

思っていたほど会社に価値がつかない可能性

企業価値は将来的な収益性に基づいて評価されます。思っていたほどの価値がつかない場合、営業体制の強化や新規先の開拓、事業の磨き上げが必要です。

対応策:買い手への交渉や仲介会社との協力を強化し、企業価値を適切に評価してもらう努力が求められます。具体的な事業計画や成長戦略を提示し、買い手企業に対して自社の将来性をアピールすることが重要です。

ロックアップや競業避止義務

M&A後、売り手側経営者は一定期間会社に残って経営に携わる義務(ロックアップ)や、競合する事業を禁止する義務(競業避止義務)に縛られることがあります。

対応策

契約内容の確認と交渉をしっかりと行い、売り手企業の権利を保護することが重要です。弁護士や専門家の助言を受けながら、契約内容を詳細に検討し、不利な条件を避けるための対策を講じましょう。

経営方針、雇用条件、労働条件の不本意な変更

M&Aに伴い、従業員の雇用や労働条件が変更される可能性があります。従業員の理解が得られず、モチベーションの低下や退職の増加を招くことがあります。

対応策:事前の条件すり合わせと従業員への説明とサポートを行い、従業員の不安を軽減する努力が必要です。従業員とのコミュニケーションを強化し、変更点について透明性を持って説明することが重要です。

4. M&A後の統合段階でのリスクと対応策

従業員の流出

従業員が新しい社風やシステムになじめず、優秀な人材が流出するリスクがあります。企業価値の減少を防ぐために、M&A後の企業統合プロセス(PMI)を慎重に実施することが求められます。

対応策

適切な説明と支援を行い、従業員が新しい環境にスムーズに適応できるようにすることが重要です。研修やサポートプログラムを提供し、従業員が新しい体制に早期に馴染むように支援しましょう。

取引先との関係悪化

取引先との契約内容に大幅な修正が必要となり、取引先からの反発を受ける可能性があります。

対応策:取引先への適切な説明と関係維持を行い、取引先との信頼関係を保つ努力が必要です。定期的なコミュニケーションを取り、取引先の懸念や疑問に対して真摯に対応することが重要です。

経営に関する権限の縮小

M&Aで大企業の傘下に入ると、売り手企業の経営者の権限が小さくなることがあります。経営方針や予算配分、社内人事などが買い手企業の方針に従う必要が出てきます。

対応策

交渉段階での譲歩引き出しと現実的な期待の設定を行い、売り手企業の影響力を可能な限り残すことが重要です。譲渡契約の中で、一定の経営権限を維持するための条項を盛り込むことも検討しましょう。

5. M&A全般におけるリスクと対応策

経営方針の大幅な変更、従業員の解雇

M&Aによるシナジー効果を得るためには、買い手の選択が重要です。特に中小企業では、長年尽力してきた従業員の存在が大きいため、リストラが会社の経営に悪影響を及ぼすことがあります。

対応策

買い手の選定と目的の把握を行い、リストラの影響を最小限に抑える努力が必要です。買い手企業がリストラを計画している場合、その影響を評価し、従業員に対する適切な対応を求めることが重要です。

内外からの反発

会社への帰属意識の高い社員や、社長についてきた社員は、売却によってモチベーションが低下し、退職につながる可能性があります。また、取引先との条件見直しや担当者変更で顧客からの反発も考えられます。

対応策

真摯な説明と理解の促進、適切なタイミングでの情報提供を行い、社内外の信頼を保つことが重要です。社内外のステークホルダーと継続的な対話を行い、売却の理由やメリットを明確に伝える努力を怠らないことが大切です。

売却先が決まらないこと

売却先が見つからない場合、M&Aだけを選択肢にしていると、残された道は倒産や廃業しかなくなってしまう可能性があります。

対応策

他の選択肢の検討を行い、事業再生や新たな投資家の獲得など、他の方法を模索することが重要です。M&A以外の選択肢として、事業再編や新規事業の立ち上げ、資金調達の多様化などを検討することが求められます。

まとめ

M&Aには多くのリスクと課題が伴いますが、それぞれの段階で適切な対応策を講じることで、リスクを最小限に抑えることが可能です。この記事で紹介したリスクと対応策を参考にして、M&Aを成功させるための準備をしっかりと行ってください。

M&Aは企業の将来を左右する重要な決断です。リスクをしっかりと把握し、適切な対策を講じることで、成功への道を切り開くことができます。オーナー社長の皆様が、自信を持ってM&Aを進められるよう、この記事が一助となれば幸いです。

カテゴリ・キーワード