M&Aを進める上で、意向表明書は非常に重要なステップです。しかし、その内容や作成方法に悩むオーナー社長は少なくありません。意向表明書が適切に作成されていないと、後々のトラブルの原因となり、M&A全体が遅延することもあります。
M&Aの中で、意向表明書を作成する際に感じる不安や疑問は、決して珍しいことではありません。多くのオーナー社長が同じ悩みを抱えています。「何をどのように書けば良いのか」「どの情報が重要なのか」など、初めての方には多くの疑問が生じるでしょう。
意向表明書には、経営権の譲渡条件や株式譲渡の詳細、企業調査の手続きなど、多くの重要な情報が含まれます。そのため、適切に作成しなければ、後々のトラブルの原因となることもあります。
この記事では、M&A仲介会社との協力によって、スムーズに意向表明書を作成する方法を紹介します。これにより、オーナー社長の不安を解消し、M&Aプロセスを成功に導くための具体的なステップを提供します。
2. M&A意向表明書とは何か
M&A意向表明書は、売り手企業(譲り渡し企業)と買い手企業がM&Aプロセスの初期段階で取り交わす文書です。この文書は、両社が基本的な合意に達したことを示すもので、正式な契約書の前段階にあたります。意向表明書には、取引の目的や譲渡条件、企業調査の手順など、M&Aプロセスを円滑に進めるための基本的な情報が記載されています。
意向表明書が重要な理由はいくつかあるのでしっかり確認しましょう。
- ・基本的な合意の確認:
- 意向表明書を通じて、売り手と買い手が取引の基本条件に合意していることを確認できます。これにより、M&Aプロセスがスムーズに進行します。
- ・交渉の方向性を明確にする:
- 意向表明書には、取引の目的や条件が明記されているため、今後の交渉の方向性を明確にすることができます。これにより、無駄な交渉や誤解を避けることができます。
- ・信頼関係の構築:
- 意向表明書を交わすことで、売り手と買い手の間に信頼関係が構築されます。これにより、両社が協力してM&Aプロセスを進める土台ができます。
3. 意向表明書の具体的な内容
意向表明書には、以下の主要な項目が含まれます。それぞれの項目について詳しく説明します。
- 【目的】:
- 取引の目的や背景を明確に記載します。例えば、経営権の譲渡や事業拡大の目的などが含まれます。
- 【譲渡条件】:
- 株式譲渡の具体的な条件や譲渡対象の詳細を示します。例えば、何株をいくらで譲渡するのか、譲渡の方法や手続きなどが記載されます。
- 【日程】:
- 主要なスケジュールを記載し、各ステップの期限を明確にします。例えば、企業調査の実施日や最終契約書の締結日などが含まれます。
- 【対価】:
- 株式譲渡の対価や退職慰労金の詳細を示します。例えば、譲渡する株式の価格や役員退職慰労金の金額などが記載されます。
- 【役員・従業員の処遇】:
- 成約後の役員や従業員の処遇について記載します。例えば、役員の退任や従業員の雇用条件の維持などが含まれます。
- 【企業調査(デューデリジェンス)】:
- 企業調査の手続きや方法について明確にします。例えば、財務内容や法務関係の調査方法、調査の実施日などが記載されます。
- 【独占交渉権】:
- 独占交渉権の期間と条件を記載します。例えば、特定の期間内に他の企業と交渉しない旨が含まれます。
- 【秘密保持義務】:
- 秘密情報の取り扱いについて記載します。例えば、交渉内容や調査結果の秘密保持に関する条件などが含まれます。
意向表明書を作成する際には、明確かつ簡潔に記載することが重要です。誤解を避けるために、具体的な数字やデータを用います。また、法的拘束力のある項目とそうでない項目を明確に区別します。
4. M&A仲介会社との協力の重要性
M&A仲介会社は、交渉の調整や企業調査の実施、法的書類の作成など、多岐にわたるサポートを提供します。彼らの専門知識と経験を活用することで、M&Aプロセスをスムーズに進めることができます。
M&A仲介会社と共同で作成する場合の手順は以下の通りです。
- ステップ⓪仲介会社の選定:
- M&Aという長く険しい取り組みを一緒に進む信頼できる仲介会社を選定します。
- ステップ①意向表明の初期相談:
- M&A仲介会社と初期の相談を行い、意向表明書の目的や内容を確認します。
- ステップ②ドラフト作成:
- M&A仲介会社と協力して、意向表明書のドラフトを作成します。
- ステップ③レビューと修正:
- ドラフトをレビューし、必要な修正を行います。
- ステップ④最終確認と署名:
- 最終的な内容を確認し、双方が署名します。
5. 成功する意向表明書の書き方
成功する意向表明書の書き方には、いくつかの手順があります。
こちらが具体的なステップですが、パートナー企業と相談の上進めていきましょう。
- ・情報収集:
- 必要な情報をすべて収集します。売り手企業の財務状況や法務状況、買い手企業の要求事項などを詳細に調査します。
- ・ドラフト作成:
- 収集した情報を基にドラフトを作成します。この段階では、具体的な条件や日程、対価などを明確に記載します。
- ・レビュー:
- ドラフトをレビューし、必要な修正を行います。M&A仲介会社や弁護士の意見を取り入れ、法的に問題のない文書を作成します。
- ・最終確認:
- 最終的な内容を確認し、誤りがないかチェックします。特に、重要な条件やスケジュールが正確に記載されていることを確認します。
- ・署名と提出:
- 双方が署名し、意向表明書を提出します。この段階で、意向表明書の内容に基づいて具体的な交渉が始まります。
成功のポイントとしては、明確で具体的な内容が記載されており、交渉がスムーズに進んだ事例が挙げられます。例えば、日程や対価が詳細に記載されることです。しっかりと明記しておくと双方が納得した上で進められます。
失敗してします例としては、不明確な記載や重要な情報の欠落により、トラブルが発生した事例が挙げられます。例えば、譲渡条件が曖昧で後々の交渉で問題が生じたケースです。お互いに認識の齟齬が出ないよう気を付けましょう。
6. まとめ
意向表明書は、M&Aプロセスにおける重要な文書であり、取引の基本条件を明確にするために必要です。主要な項目としては、目的、譲渡条件、日程、対価、役員・従業員の処遇、企業調査、独占交渉権、秘密保持義務が含まれます。M&A仲介会社と協力して作成することで、スムーズなM&Aプロセスを実現できます。成功する意向表明書の書き方には、情報収集、ドラフト作成、レビュー、最終確認、署名と提出の手順があります。
M&Aは意向表明だけでなく、様々な専門的な手続きまずは信頼できるM&A仲介会社と連絡を取り、初期相談を行うことをお勧めします。
M&Aアシスタントの想い
M&Aアシスタントは、オーナー社長の思いを大切にし、
最適なM&A仲介会社をご紹介するサービスです。
M&Aは企業とオーナーの人生の転機。
信頼できるパートナー選びが成功への第一歩です。
しかし、2000社以上ある仲介会社から適切な会社に出会うのは困難です。
私たちは、オーナー社長一人ひとりの想いを伺ったうえで、
信頼できるM&A仲介会社をご紹介します。
ぜひ、あなたのお悩みをお聞かせください。
2024年7月8日