M&Aを検討し始めた中小企業の社長にとって、M&A仲介会社や金融機関などからの案内が頻繁に届く一方で、どこに相談すべきか悩んでいる方も多いでしょう。M&Aの相談先は一つではなく、複数の選択肢があります。それぞれに異なる強みやメリットがあるため、最適なパートナーを選ぶためには、どの相談先が自社に合っているのかを理解することが重要です。
本記事では、M&Aの主な相談先を一覧で整理し、各々のメリット・デメリットを解説します。
さらに、複数の専門家に「同時に」相談することが大切で、情報を一気に整理し、最適な選択をする方法についてもご紹介します。
M&Aの主な相談先5選の一覧
相談先 | 概要 |
---|---|
M&A仲介会社 | M&Aを専門に扱い、 中立的な立場でサポートを行う |
銀行や証券会社などの金融機関 | 資金調達や融資の専門知識を持ち、 大規模なM&A案件を扱う |
公認会計士や税理士 | 財務や税務の専門知識を活かして、 M&Aのデューデリジェンスなどをサポート |
商工会議所などの公的機関 | 地域密着型で中小企業のM&A支援を行う公的機関 |
弁護士 | 法的リスクの検出や契約書の作成、 交渉を行う |
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、M&Aを専門に扱う会社で、売り手企業と買い手企業の間に立ち、中立的な立場で取引をサポートします。仲介会社は通常、双方の企業から報酬を受け取ることで利益を得ていますが、その報酬体系やサービス内容は会社によって異なります。
メリット
- ・幅広いネットワークで相手先を探せる:
- M&A仲介会社は、多くの企業とつながりを持っているため、売り手と買い手のマッチングがスムーズに行えます。
- ・銀行などより報酬が安い場合がある:
- 銀行や証券会社と比較して、仲介手数料が安いケースもあります。
デメリット
- ・仲介手数料が変動する:
- 成約時に売却金額の数%という形で手数料が発生するため、費用が高くなることがあります。
- ・M&A成立を急がせるケースがある:
- 仲介会社は報酬を得るためにM&Aの成立を急がせることがあり、十分な検討時間が取れない場合もあります。
銀行や証券会社などの金融機関
銀行や証券会社、特に投資銀行などの金融機関は、資金調達や融資に強みを持つだけでなく、大規模なM&A案件を手がける専門的なチームを持っています。特にメガバンクや外資系投資銀行は、数十億円規模以上の案件を得意としています。
メリット
- ・資金調達の相談がしやすい:
- 銀行はM&Aに伴う資金調達のアドバイスを得意としています。買収資金の調達がスムーズに行えるため、大規模案件には強い味方となります。
- ・専門知識が豊富で信頼性が高い:
- 大規模な金融機関は、財務や税務、法務に関する専門知識を持つスタッフを擁しており、信頼性が高いサポートを受けられます。
デメリット
- ・中小企業向けの対応が少ない:
- 大手金融機関は、規模の小さい企業のM&Aにはあまり対応しておらず、案件が見送られることがあります。
- ・報酬が高額:
- 金融機関をファイナンシャル・アドバイザーとして依頼する場合、成功報酬が高額になることが多く、費用負担が大きいです。
公認会計士や税理士
公認会計士や税理士は、M&Aにおける財務デューデリジェンスや税務デューデリジェンスを担当する専門家です。彼らは、企業の財務状況を精査し、潜在的なリスクを明らかにする役割を果たします。
メリット
- ・財務や税務面でのリスク回避ができる:
- 公認会計士や税理士は、財務諸表の正確性を検証し、簿外債務や税務リスクを洗い出すことで、M&A後のトラブルを防ぐサポートを提供します。
- ・中小企業の内情に精通している:
- 日頃から中小企業の顧問として活動しているケースが多く、企業の内情に詳しいため、的確なアドバイスが得られます。
デメリット
- ・M&Aに精通していない場合がある:
- すべての公認会計士や税理士がM&Aに詳しいわけではなく、場合によってはM&Aの専門家を別途探す必要があります。
- ・サポート範囲が限定されることがある:
- 財務や税務に関しては専門的なサポートが受けられますが、法務や契約交渉などの分野については別途弁護士などの専門家が必要です。
商工会議所などの公的機関
商工会議所などの公的機関は、地域の中小企業を対象に、M&Aや事業承継の支援を行っています。特に後継者不足に悩む企業に対して、事業承継の選択肢としてM&Aを提案することが増えています。
メリット
- ・中小企業の悩みに対する理解が深い:
- 商工会議所は地域密着型のため、中小企業が直面する特有の問題について深く理解しています。相談しやすい環境が整っています。
- ・無料で相談できる:
- 公的機関としての役割から、初期相談や簡易的なアドバイスを無料で受けることができるのも大きなメリットです。
デメリット
- ・サービスの質やスピードが民間に比べて劣る可能性がある:
- 公的機関であるため、サービスの質や対応のスピードが民間企業に比べて劣ることがあります。
- ・商工会議所の会員になる費用が発生する:
- 商工会議所の会員になることで、より充実したサポートを受けられますが、年会費が発生します。
弁護士
弁護士は、M&Aにおける法的リスクの検出や契約書の作成、交渉において不可欠な存在です。特に、契約交渉やトラブル発生時には法的に適切な対応が求められるため、弁護士のサポートが重要になります。
メリット
- ・不備のない契約書が作成できる:
- M&Aでは、多くの契約書が作成されますが、弁護士に依頼することで、法的に不備のない契約書を作成できます。これにより、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。
- ・トラブル発生時に法的対応が可能:
- 万が一、M&Aの過程でトラブルが発生した場合、法的手続きを適切に進めるためのサポートが得られます。
デメリット
- ・財務・税務面の知見が不足している可能性がある:
- 弁護士は法務の専門家ですが、財務や税務の知識が十分でない場合があります。そのため、公認会計士や税理士と併せて依頼することが必要です。
- ・平行して他の専門家への依頼が必要:
- 法務面だけでなく、M&A全体をサポートするためには、他の専門家との連携が必要になることが多く、手間が増えることがあります。
相談先の選び方
一概におすすめはできない理由
M&Aの相談先には、一概に「この相談先がベスト」ということは言い切れません。
M&A仲介会社、金融機関、公認会計士や税理士、商工会議所、弁護士などがありますが、それぞれが異なる強みを持っています。例えば、M&A仲介会社は幅広いネットワークを持ち、相手先を見つけやすい一方で、仲介手数料が高額です。また、金融機関は資金調達に強いものの、中小企業向けの対応が少ない場合があります。そ各相談先のメリット・デメリットを理解し、選択肢を広げることが重要です。
複数の専門家に「同時に」相談する重要性
M&Aを成功させるためには、複数の専門家に「同時に」相談することが非常に有効です。これは、各相談先から得られる情報を一気に整理でき、異なる視点からアドバイスを受けることで、より総合的な判断が可能になるからです。例えば、M&A仲介会社と公認会計士、弁護士に同時に相談することで、財務や法務、仲介の各側面からM&Aを見直すことができ、リスクを低減しながら最適なパートナーを選ぶことができます。
まとめ
M&Aの相談先には様々な選択肢があり、それぞれに異なる強みとメリット・デメリットがあります。最適なパートナーを選ぶためには、一つの相談先に絞るのではなく、複数の専門家に「同時に」相談し、情報を整理しながら比較検討することが重要です。これにより、M&Aの成功率を高め、自社にとって最良の結果を得ることができます。ぜひ、この記事を参考に、自社に最適なM&Aパートナーを見つけてください。
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2024年8月13日