M&Aを検討中の皆様、突然の電話やダイレクトメールで「M&Aをサポートします」と声をかけられたことはありませんか？
自社の未来を考え、M&Aを選択肢に入れるのは非常に大切な決断です。しかし、頻繁にかかってくる電話営業や、次々と送られてくるダイレクトメールに対して、何となく「怪しい」と感じたことがある方も少なくないでしょう。
その「怪しい」という違和感、間違っていないかもしれません。
残念ながら、M&Aアドバイザーの中には、誠実さを欠いた行動や、場合によっては詐欺的な手法を使う業者が存在します。こうしたアドバイザーに引っかかってしまうと、大切な会社を守るどころか、大きな損失を招くリスクがあります。
特に近年、M&A市場は急速に拡大しており、中小企業にとってM&Aがより身近な選択肢となっています。その結果、M&Aアドバイザーの数も増え、経験や実績が不十分な業者が参入してきているのが現状です。
参考:支援機関登録制度事務局: 中小M＆A市場における動向を踏まえた周知・注意喚起について
このブログでは、M&Aを検討している中小企業の社長が、詐欺や不誠実なアドバイザーに騙されないための見分け方をお伝えします。さらに、信頼できるアドバイザーを選び、最良のM&Aを成功させるための具体的な方法についてもご紹介します。
まずは、実際にあった詐欺アドバイザーの事例から学びましょう。
詐欺を働くM&Aアドバイザーの実態
詐欺的なアドバイザーの手口は、意外と巧妙です。彼らは、企業がM&Aに対して持つ不安や疑問を巧みに利用し、信頼を得ようとします。
例えば、ある企業がM&Aを検討していた際、アドバイザーを名乗る人物からアプローチを受けました。そのアドバイザーは、【非常に好条件の買い手が見つかっていると主張】し、【契約を急かしました】。しかし、【契約後にその買い手が存在しないことが判明】し、企業は【無駄な手数料を支払う】羽目になったのです。
また、着手金を支払わせた後、【全く買い手を探す動きを見せないアドバイザー】もいます。こうしたケースでは、契約を解除しようとしても【高額な違約金を請求される】ことが多く、結果的に企業は大きな損失を被ることになります。これらの手口は、中小企業庁が発行している「M&Aでのトラブルについて」でも注意喚起がされています。
これらの事例から分かるように、詐欺的なアドバイザーは、企業の弱みにつけ込み、巧妙な手口で利益を得ようとします。こうした事態を避けるためにも、信頼できるアドバイザーを見極めることが重要です。
信頼できるM&Aアドバイザーの見分け方
信頼できるアドバイザーを見つけるためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。以下のチェックリストを活用して、アドバイザーの信頼性を確認しましょう。
- ・業歴と実績の確認:
- M&Aアドバイザーの業歴や過去の実績を確認することは必須です。長期間にわたり多くの案件を成功させているアドバイザーは、信頼性が高いと言えます。特に、業歴の長いアドバイザーは、様々なケースに対応してきた経験があり、適切なアドバイスを提供できる可能性が高いです。
- ・透明なコミュニケーション:
- アドバイザーが進行中のプロセスやリスクについて、透明性をもって説明しているかを確認しましょう。疑問点に対して明確な回答を避けるようなアドバイザーは注意が必要です。透明なコミュニケーションは、信頼関係を築く上で非常に重要です。
- ・顧客の声を確認:
- 過去にそのアドバイザーを利用した企業のフィードバックを調べてみてください。信頼できるアドバイザーは、顧客から高い評価を得ていることが多いです。口コミサイトや業界の評価をチェックし、第三者の意見を参考にすることも有効です。
- ・独立性の確認:
- 特定の買い手企業と結びつきが強すぎるアドバイザーは、売り手企業の利益よりも自身の利益を優先する可能性があります。独立性を持って公正にアドバイスを行うかを見極めることが重要です。複数の買い手企業を提示し、公平な立場で進めてくれるアドバイザーを選びましょう。
信頼できるアドバイザーを選ぶことは、M&Aの成功に直結します。選定に慎重を期し、これらのポイントを参考にして判断することをお勧めします。
複数のアドバイザーと会話することの重要性
1社だけに依存するのは非常に危険です。実際に、1社のアドバイザーだけに話を進めた結果、後になって後悔したケースは少なくありません。
例えば、アドバイザーの言う通りに契約を進めたが、実際にはもっと良い条件の買い手がいたにもかかわらず、提案されなかったという事例もあります。こうした場合、企業は結果的に不利な条件でM&Aを進めざるを得なくなります。
複数のアドバイザーと話すことで、比較検討が可能になります。これにより、各アドバイザーの提案や条件を比較し、最も自社に合った選択をすることができます。また、異なる視点からのアドバイスを受けることで、より客観的な判断ができるようになります。M&Aは一生に一度の大きな決断ですから、多角的な意見を集めることで、自信を持って次のステップに進むことができます。
複数のアドバイザーと会話し、最適なパートナーを見つけることが、成功するM&Aの第一歩です。
まとめ
信頼できるM&Aアドバイザーを見つけることは、企業の未来を左右する重要な決断です。詐欺的なアドバイザーに騙されないためには、アドバイザーの選定に慎重になり、1社だけに依存せず、複数の選択肢を検討することが重要です。
本日からでも、信頼できるアドバイザーを探すための行動を始めましょう。自社の未来を守るために、最良のパートナーを見つけることが、成功への鍵となります。
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2024年8月13日